少女の日の思い出

その昔、私がまだ高校生だったころ、同じクラスの女の子からとっても重大な告白をされたことがある。

それは、ある日の授業中、その子から回ってきた手紙に何でもないことのようにさらりとしたためられていた。

クラスメイトととして会話をすることはあったけれど、私とその子は特別に親しかったわけではない。

その子には他にもっと仲の良い友達がいたし、それは私も同じだった。

一番話すべき人には話せない。
一番身近な人にも話せない。

かといって、仲の良い友達に打ち明けることでついてくる「優しさ」は要らなかったのだろう。

事実、私はその子からの告白に対して的外れな反応しかできず、手紙のやりとりだけで完結し、その後それについてお互い触れることもしなかった。

今ならわかる。

十代の女の子がひとりで抱え込むにしてはちょっとばかり重たくて、ただ、外に吐き出したかったんだな。

高校を卒業してから一度も会っていないし、もう名前さえ忘れてしまったけれど、今でも時々こうして思い出す。

どこかで幸せに暮らしているかしら?って。