結論、美味しく食べられる人に食べてもらう

蛤が苦手だ。食べ物として。

身を丸ごと食べるということにとてつもない抵抗がある。

蛤の身体を形成するありとあらゆる器官を、そして内臓に含まれているであろう何らかを、丸ごと全て食べるのだ思うとどうしても口に入れることができない。
いったいこれは何なのだろうと思うと得たいの知れない恐怖を感じる。
同じ理由でアサリやしじみも食べられない。

昔苦手だった食べ物が大人になって食べられるようになる、という話をよく聞くけれど、わたしの場合逆が多い。
味や食感の問題ではなく、考えなければいい余計なことに振り回された結果として苦手になってしまうのだ。

そう、子供の頃は蛤だって食べていた。
むしろ好物で食卓に並べば嬉しかったはずなのに。

こういうところ、わたしは面倒くさいタイプの大人に育ってしまって残念だなぁって目の前の頂き物の貝を眺めながらしみじみ思う。